Blog

Vol.008 人材から人財への道のり::VOL 8::責任を取るのは仕事を辞めるの?

2018年2月21日

人材から人財への道のり::VOL 8::責任を取るのは仕事を辞めるの?

日本人からして、ベトナムスタッフはよく簡単に仕事を辞めているという印象を受けているのはいうまでもない。様々な理由の中には、よく「会社に貢献できていないので、責任を取って、やめる」言い方がよく耳にする。パフォーマンスがどうしても上がらないスタッフは仕方ないが、中にポテンシャルの高いスタッフまで辞めるのは非常にもったいない。もう少し、努力していれば、成果をあげられるので、長期的な観点に立って、頑張ってほしかった。

思えば、自分が20代のときに、会社のオーナーでもある日本人上司に対して、このことを議論したことがあった。辞めるつもりはまったくなかったが、責任を取って、辞めるのは立派な考え方ではないかを言いたく、議論をぶつけたわけで。すると、日本人上司はネットで文献を調べたり、知り合いの日本人経営者から意見を収集したりして、それを参考に提供してくれた。辞めるか否かは会社にとって、良いかどうかという判断軸を持つことを教わった。今すぐ辞める選択肢以外に、成長して、会社に貢献して、よい功績を残した上で、去ることも考えられるようになった。

今すぐやめるというのは自分の能力を固定的にみて、今の環境でパフォーマンスが上がらなければ、パフォーマンスがあがる会社を探す。どちらかというと出来上がっているプロの考え方である。一方で、やめないで仕事を継続する選択は、パフォーマンスがあがるまで、自己否定しつづけて、試行錯誤して、自分を変えようと成長意欲の高い人材と言える。ベトナムスタッフは決して、自分がプロであるとは思っていない、成長意欲も高いように感じられるが、責任を取って、仕事を辞めるという考え方が強く持っていることに対して不思議に感じる。

  1. 借りを嫌っている考え方:"Của biếu là của lo của cho là của nợ"「他人からの贈り物は借りだ」という言い方はベトナム人は誰一人知らない人はない。これを対人関係の信条にしている人も多いように感じる。そのように、極端に借りを嫌っているので、会社から投資してもらって、そのうちに会社に恩返しするという考え方を最初から否定している。
  2. 一心同体の考え方を持っていない:戦争の歴史が長いかお互いはそう簡単に信じ合えない。そうすると、自分は自分、相手は相手というように、無意識的に壁を作っている。自分のキャリアと会社の成長は一心同体ではなく、部分最適化を考えているため、会社が教育に投資してくれたのを返す思いは薄い。
  3. 長期的なキャリア感を持たない:士業以外の一般職はなかなかキャリア感を持つのは難しい。日本であれば、本を出版したり、講演会したり、努力することによって、業界のドンになる道がある。しかし、ベトナムではこのような道は一般的ではないため、キャリアの一貫性を意識しない若いスタッフも多い。お給料さえ高ければ、キャリアの一貫性を無視してでも、転職してしまうわけ。

パフォーマンスが上がらない時に、責任を取って、仕事を辞めるという考え方自体はプロとして、立派な考え方である。まだプロではなければ、上記のことを含めて、丁寧に啓蒙する必要がある。長期的なキャリアを示し、一心同体の気持ちを持っていれば、スタッフも成長し続けて、そのうちパフォーマンスが出せるようになると考えている。

→ 人材から人財への道のり::VOL 7::スタッフの主体性が低いのは日本人上司の責任!

―――――

プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 0901 809 991

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

輝く日本人
VOL 8::ChatWork株式会社 堀江さん
2018年2月21日

氏名:堀江 裕隆さん
会社名:ChatWork株式会社(https://go.chatwork.com/ja/
役職:グローバルマーケティング部マネージャー

渡辺:本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

ChatWork株式会社は2004年に日本にて設立。

堀江さん:ChatWork株式会社グローバルマーケティング部マネージャーの堀江と申します。1983年生まれ福岡育ちです。2009年にChatWork株式会社(旧:EC studio)に入社しました。自社サービスのマーケティング活動、新規ビジネスの立ち上げに携わりながら、IT飲み会やWebマーケティング勉強会も主催しています。

2016年にグローバル市場開拓の候補地として、台湾、そしてベトナムが挙がりました。現在はベトナムを拠点にセールスマーケティングや協業開拓を行っています。

渡辺:具体的にチャットワークとはどのようなサービスなのでしょうか?

堀江さん:簡単に一言で表すと、次世代型のビジネスコミュニケーションツールです。従来使っているメールより使いやすく、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話も全てチャットワーク上で行えます。これまではメールを送って、進捗を電話で確認して、タスクが漏れていないかを確認して・・・とひとつひとつにかけていた時間を、チャットワークを使うことによって解消する。そうして本来自分自身が集中すべき時間を増やすことで、ビジネスの生産性を上げられ、売り上げUPにもつなげてもらえたらと考えております。常に細かく情報共有が出来ていれば、長い会議もなくなり、常にタスク管理が出来ることで業務の≪見える化≫を推進することも出来ます。現在はローカル企業のお客様も増えてきていて、たいへん喜んでいただいています。

渡辺:未来のコミュニケーションサービスといったイメージですね。とても便利そうです。ベトナムに来られた経緯を教えてください。

堀江さん:弊社でのグローバル事業を推進していく際、いくつか候補が挙がりました。その中でも、現在大きく成長を続けているベトナムにフォーカスしました。もちろん事前に色々と情報を調べては来ましたが、やはり来ないとわからない部分が大半ですので、「まずは行ってやってみます。」という気持ちで渡越しました。

渡辺:実際に目の当たりにしたベトナムでは、何か違っていた部分はありましたか?

堀江さん:そうですね、本当に若い世代が国力を伸ばしている国だなと感じました。これからはメールを使っていない世代が国を担っていくので、そういった意味では弊社サービスはとても受け入れてもらいやすいなと思います。

業務は全てPC1台で。働き方改革は、まずは自分から。

渡辺:ベトナムでは、これから若い世代が盛り上げていくんだという活力を感じますね。ちなみに、現在採用活動もされているんですよね?

堀江さん:そうです。現在は僕1名のみなので、パートナーとなるような人材を探していますが、現在進行形で苦戦中ですね。僕も日本では面接など行っていましたが、国外での採用活動は初めてです。探し始めてかなりの多くの方とお会いしましたが、なかなか採用まで至らないですね。

渡辺:どういった部分に難しさを感じますか?

堀江さん:日本で採用活動を行う時って、あの人みたいな人がいいな?と自分の中でイメージが出来るので、それに合わせて採用活動を行うことが出来るんです。でも、こちらではまだそういった人材に出会ったことがないので、イメージすることが難しい。育ってきた文化も違うので、思い描く人物像と、良い意味でも悪い意味でもギャップが出るんです。

渡辺:ギャップですか。多くの方が悩まれている課題だと思いますね。面接という中だけでも、何かベトナムの方と接した中でのお悩みはありましたか?

堀江さん:これは僕自身が今後気を付けていこうと思っていることですが、僕たちの間には多少なりとも必ず言語のハードルがありますよね。なので、タスクや納期など重要なこと、相談したいことはまずテキスト化して共有します。そしてその後に直接会話をすることで理解を深める。お互い既に言語化されたものが頭に入っているので、その後のコミュニケーションがより潤滑になると思います。

渡辺:細かい部分での理解の差はお互い生まれやすいですもんね。

堀江さん:そうですね。そういえば以前、チャットやメール上で会話している時と直接話しているときでは、性格が違ってみえるといわれたことがあります。日本でも、昨日の飲み会ではすごく仲良くなったのに、今日は普通に戻っている、とか、そんなことありますよね。そういった細かなギャップも埋めていけるようにしたいと思っています。

渡辺:確かに。私も気を付けなければいけないですね。ちなみに、堀江さんは現在、どのような活動をされているんですか?

堀江さん:現在はほぼ、ベトナムでのマーケティングセールスに注力しています。また、中間管理職の立場でもあるので、グローバル事業計画に基づいて、僕自身の目標値だけではなく、牽引しているグローバルマーケティング部の目標も持って行動しています。せっかくベトナムに来てこうして目の前にチャンスがあるので、120%、150%と、目標以上を常に目指していきたいと考えています。そのためにも早く良いパートナーと組み、ベトナム市場開拓を確固たるものにしていきたいですね。

渡辺:そういえば、堀江さんはベトナム国内でもIT飲み会を主催されているんですよね?

堀江さん:そうです。元々は弊社ChatWork株式会社と株式会社サムシングファンで大阪にて始めた飲み会ですが、現在日本全国とアメリカ、アジア全域を含め約40か所で開催しています。始まりは2007年からなので、もう10年以上の歴史があります。ホーチミンでも大体5~60人の方が毎回参加してくださっています。次回は2018年3月22日(木)に開催予定で、≪仮想通貨≫についてディスカッションします。IT関連会社の方でなくても、興味があればどなたでもOKです!僕もいますので、いつでも遊びに来てください。

渡辺:それでは、今後のキャリアビジョンを教えてください。

堀江さん:チャットワークを通じて世界の働き方を変える。これが弊社、そして僕の目標です。タスク漏れ、報告ばかりの長いミーティング、進捗確認の電話。そういった時間を全部とっぱらって、自分にしかできない仕事に集中してもらう。そうして仕事の成果を上げていくことにより、自分の生きがいを見つけてもらいたい。そのためにはまず、アジア。特に僕自身がベトナムでマーケットを広げていきたいです。

渡辺:最後に締めの一言をお願いいたします。

堀江さん:タスク漏れに困っている方、IT飲み会にご興味がある方、ビリヤードと麻雀がしたい方、いつでもご連絡ください!お会いできることを楽しみにしています。

渡辺:ありがとうございました!IT飲み会にご興味がある方はこちら(www.it-nomikai.jp/hochiminh)より概要をご確認ください。

あーちゃんのベトナムワーク&ライフ
Vol. 8 : 働き方改革から見る女性の活用

Chuc Mung Nam Moi!ベトナム新年あけましておめでとうございます!

今回はテト休暇で日本に帰国した際の違和感についてお話ししたいと思います。

最近日本では「働き方改革」について色々と議論されています。毎日のようにニュースや新聞で取り上げられているように感じました。

働き方改革を進めている理由として3つあるとのことです。①人口及び労働人口の減少 ②長時間労働が改善されないこと ③ダイバーシティー(多様性)マネジメントの推進と生産性向上

これらについてベトナムで働いているからこそ見えてきたことがあります。①人口及び労働人口の減少と③ダイバーシティーマネジメントの推進と生産性の向上については、女性の活用が本当に必要だと感じています。

少し古いデータですが、ベトナムの労働人口は52,857,923人。そのうち女性の比率は48.435%。女性の比率は185か国中10位です。日本の労働人口は65,281,090人。そのうち女性の比率は42.235%。女性の比率は185か国中109位です。

ベトナムでは共働きが当たり前です。どんなにお金持ちの家庭でも必ずと言っていいくらい女性も働きますし、自然と自分もそれが当たり前の考えになりました。

先日、日本に帰国した際、友達との会話でこんなことがありました。

A子「最近よく食事に行く男性が2人いるの!一人は○○という外資系の飲料メーカ。一人は○○という一流メーカー!」

B子「それすごいじゃん!一生働かなくていいやつじゃん♪」

私(心の中)(まじ今どき会社名で男選ぶ人いるん?!汗)

今のご時世、大手企業に就職したからと言って一生安泰だとは思いません。AIにより昔は安泰と言われていた銀行ですら人員削減されています。今までは大手に入れば会社にぶら下がっていられた人も、今後は機械に取って代われサヨナラです。なのにこんな友達の会話を聞いて私は愕然としました。。。もちろん大手企業の中でもしっかりと自立され、目標に向かって自分で道を切り開いている方も多く知っています。ただ、企業名のブランドに踊らされている人がこんなにいるのかと思うと驚きでした。

海外の人材業界で働いている者として、日本の働き方改革について何か自分も役立ちたいと思いました。

→ あーちゃんのベトナムワーク&ライフ::VOL 7::ベトナム人と一気に打ち解ける!魔法のベトナム語講座

―――――
プロフィール
吉田綾華(よしだ あやか)
E-mail: ayaka.yoshida@hrnavi.com
Tel: 0968 096 784

1987年生まれ、石川県出身。
人の役に立ちたい!という想いから、東南アジアと人材の軸で仕事を探し、2013年からアイグローカル・リソースに入社。自らの海外就職の経験とホーチミン、ハノイの両拠点での勤務経験を生かし、お客様と登録者の懸け橋となりアドバイスを行っている。

人材リスト

【日本人紹介】
日本人求職者リストは下記のリンクでご覧ください。
http://bit.ly/2EHfmqq

【管理職ベトナム人紹介】
管理職採用でお困りのお客様へ。中々、優秀な管理職人材が採用できずに困っていませんか。
優秀な管理職を採用することにより、中間層を拡充し、ローカライズを図りましょう。
また、彼らを挟むことにより、コミュニケーションがスムーズになります。
選び抜かれた登録者に対して、企業側から攻めの採用をすることができます!

詳しい内容は下記のリンクからご覧ください。
http://x.huraffi.com