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2021年5月5日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON

氏名:Nguyen Thi Hoa Muaさん
会社名:JECC Vietnam Company Limited

「嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第22回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それではMuaさん、自己紹介をどうぞ!

Muaさん: 私はNguyen Thi Hoa Muaです。Hoa Muaには、「野牡丹の花」という意味があります。母の故郷に咲いている野牡丹を父が見て、野牡丹のように厳しい環境の中でも美しく花を咲かせるような女性になって欲しいという願いから付けられました。
フートー省で1985年に生まれました。フートー省はハノイから80キロくらい北にあります。昔フン王がベトナム史上で初めて国家を作ったと言われる場所です。
2003年に高校を卒業し、ハノイ農業大学を受験しました。入学試験でトップの成績で合格することができましたので、姉妹校である日本の東京農業大学への交換留学を許可され、2004年から2008年に日本へ留学しました。大学卒業後はそのまま大学院に進みました。
大学では、情報、経済、マーケティングなどを学びましたので、それを活かして日本でIT企業に就職しました。2年間勤めた後、2011年末にベトナムに帰国しました。
帰国後は農業に携わる仕事がしたかったので、農業関係企業で1年程働き、その後は日系大手通信グループ企業に入り、プロジェクトに参加しました。そして、2014年からJECCで働き始めました。
私生活では、結婚して子供が2人(上の子は男の子で中学2年生、下の子は女の子で小学校4年生)です。

(JECCベトナム社で名コンサルタントとして活躍されるMuaさん)

Q.Muaさんの学歴、そこからJECC Vietnamとの出会いまで
2014年の1月くらいにベトナムに進出して採用をしている人材育成コンサルティング会社があり、良い会社だと友人から聞きました。その時は詳しい情報はなかったのですが、私には、せっかく日本に留学して、いろんなことを学び、たくさんの日本人に出会って、日本の良いところ、日本人の考え方、働き方、生活の仕方などたくさん知ることができたので、それをベトナムに持ち帰り、ベトナム人に伝えて、ベトナム人の強みに合わせた形で、考え方や仕事の仕方を改善させていきたいという夢がありました。JECCは人材育成コンサルティング会社なので、たくさんの人に出会って、いろんなことを伝えられると思い、応募しました。

Q.現在のお仕事内容について教えてください。
日系企業に対して、人材育成コンサルティングを主に行っています。具体的にいうと、幹部の方々とお会いして、人材に関する目指すべき姿はどのようなものか、それに対して現状はどうか、とそのギャップを明確にして、課題設定をしていき、そのギャップを埋めるお手伝いをしています。
課題解決に向けてお客様にやっていただくこと、JECCができることを明確にして、ともに解決策を作っていくというのが主に行っているコンサルティング内容です。お客様の目指す将来像によって、展開するコースが変わってきます。JECCでは現在80以上のコースがあり、職種別、階層別などに細かく分けられています。どんなサービスを提供させていただくかは、当社内の各部署と相談、連携して最適なプランを提供させていただいてます。
JECCの特徴は既存の研修をただお勧めするのではなく、研修はあくまでツールとして用いているところにあります。人はそれぞれに考え方があり、そして企業は組織風土、組織文化というものがあります。人の考え方と組織文化は業績に大きな影響を与えますで、JECCでは研修はただスキルを教えるだけのものではなく、社員の方の考え方を改革することを重視しています。従業員の考え方と組織文化の改革を行うことにより、企業の発展を継続させていく。それと同時に組織は業績を上げ続けることだけではなく、社会に何を貢献できるかを考え実現することを、JECCは最終の目的と考えています。企業ができるだけたくさんの社会貢献ができるようお手伝いしています。

Q.入社してから大変だったこと、成長のきっかけになった出来事は何ですか?
ベトナム法人では私の採用が初めてでしたので、相談できる先輩がいなかったのが大変でした。それ以前に経験した仕事とは違い、未経験のことばかりでした。JECCでは入社後に1年かけてしっかり研修を行いますが、その間に社内テストを定期的に行います。社内テストは勉強も大変でしたし、プレッシャーも大きかったです。でも初めの3ヶ月に一生懸命勉強したことで、成長したなと感じることができました。
それから、一番大変だと感じたことは、お客様からの信頼を得ることでした。
私は29歳で入社しましたが、研修を受講される方は主に40代、50代の方々ですので、こんな若い子から何を学べるのかと思われているんではないかというプレッシャーがありました。研修内容はJECCで50年の間に蓄積されたもので自信を持って提供させていただくのですが、現場に出るのは私一人ですので、受講者にどうやって納得してもらうか、信頼していただけるか、試行錯誤しました。はじめは疑問の眼差しだった受講者の態度がだんだん変わっていき、信用していただけるようになった瞬間はすごく嬉しかったです。それは現在でもこの仕事のやりがいとなっています。
受講者の方が研修を通じて成長されるのを見るのが嬉しく、私も受講者の方からたくさんのことを学ばさせていただいてます。コンサルティングの仕事には楽しみと緊張感があります。

(オフィスでの社員皆さんでの集合写真です)

Q.Muaさんの今後の目標(夢)を教えてください。
JECCでの仕事は、自分が日本で得た良い点をベトナムの人達へ伝えるという、まさに自分の夢を実現できる仕事だと思っていますので、これからもずっとJECCで数多くのお客様に貢献していきたいと思っています。
将来的には、20年後くらいに、30人くらいの自分の会社を作りたいと思っています。

Q.最近の教育ビジネスでの面白い話、業界最新トピック ※この道のプロとして紹介させてください!
最近はコンサルティングのテーマとして、ベトナム人幹部候補生の育成、ベトナム人のマネジメント力向上、日系企業で働くサービスエンジニア向けの対人力強化などニーズがあります。
例えば、日系製造企業の日本人社長から、工場と販売店の管理権限を将来的にベトナム人社員に移していきたいので、ベトナム人幹部候補生を育成して欲しいというご要望がありました。1回研修を受けていただければすぐに効果が出る、というものではありませんので、1年以上の長いスパンで計画していきます。
研修は初めに数日間行い、その後、約2カ月の間、実践の期間を設けます。そこから続けてまた研修を行い、学んだ結果をまた現場に持ち帰り実践というルーティン作業を行います。研修で学んでそこで終わりというのではなく、定期的に研修と現場実践を繰り返すことによって、現場で困ったことをみんなで社内共有でき、新しい知識を身に付けて現場に情報を落とし込むことが可能になります。これを1年半のスパンで実施しました。最後には受講者の方達と日本人管理者に集まっていただき成果発表会を開きます。今後の課題をお客様の幹部の方とJECCのコンサルティングチームとで話し合って次のプランを決めていきます。一回決めたらそのままというのではなく、定期的に、状況に合わせながら、内容やアプローチの仕方を変えていきます。そして最終的にはお客様の目指すべき姿に到達することになります。

Q.ベトナム人から見た日本人の印象とはどんなものでしょう?
私が今まで出会った日本人の方達は、みんな親切で素晴らしい方ばかりです。
JECCの日本人上司は、どんな時でも支えてくれて、いい信頼関係を作れていると思っています。
私は日本での留学経験もあり、日本語ができるので、日本人に対してあまり距離を感じていないのですが、ベトナム人が受ける日本人の一般的な印象を言うと、仕事の面では規律正しくて、真面目で、そこはベトナム人と違うなと思います。また、日本語ができないと言葉の壁があるので、コミュニケーションが難しいと思います。もし日本語ができても、その背景にある文化とか考え方を理解しながら話さなければ、誤解が生じてしまうということもあるので、同じアジアの人同士で考え方が似ているところはあるのかもしれないですが、本当の意味でコミュニケーションを取って親しくなるのは難しいなと感じます。

Q.ベトナム/ベトナム人をもっと知るため、日本人へのアドバイスをいただけますか?
2つのことが必要ではないかと思います。
1つ目は、物事を自分の基準だけで判断するのではなく、考え方の多様性を受け入れて、理解することだと思います。先程の話と重なりますが、日本とベトナムでは文化が違うので考え方や習慣が違うので、それを理解した上で相手と接すれば、誤解が生まれずに済むのではないかなと思います。さらに相手のいいところを見るようにしていくと、信頼関係を築くことができるのではと思います。
2つ目は、指示を出すだけでなく、相手のモチベーションを上げるような説明を加えるともっと仕事が上手く進むのではないかと思います。
日系企業で働くベトナム人は主体的に考えられない人が多く、それはベトナム人側の原因でもあり、日本人上司側の原因でもあると考えています。日本人の上司の方は、スタッフに指示を出すだけで、なぜそれが必要なのかを伝えません。メンバーのモチベーションを上げて、もっと仕事を上手く進めるためには、Why(なぜ必要なのか)、What(何をやるか)、How(どのようにやるか)、を3つセットで伝えていただけると、より上手くいくのではと思います。これは私がJECCで働いている中で、先輩方から学んだことでもあります。この考えは日本人に対してだけでなく、世界で適用できる考えではないでしょうか。

(ベトナム恒例、社内イベント食事会での1枚です)

Muaさん取材ご協力いただき、ありがとうございました!

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インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

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