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Vol.009 人材から人財への道のり::VOL 9::ノーと言いたがるベトナム人

2018年3月14日

人材から人財への道のり
VOL 9::ノーと言いたがるベトナム人

社員との絆を高めようと思って、たまに営業部で飲みに行こうと誘うと、毎回毎回ノーという社員が多く、開催できないことも多い。夜間学校に行く、家族の用事、お酒は飲めないなどなどとことごとく断られます。今度、会社の恒例行事にしたら、出席率が高められるが、決まった仲の良い同僚と固まったり、ゲームやスピーチに積極的に参加せず、早退したりして、実に乗りの悪い社員が多いです。私が日本で働いた頃にはほぼ毎日何かしら社内の飲み会があり、2次会、3次会までやって、絶対参加は暗黙のルールだったので、ノーと簡単に言えるベトナム人社員に対して、ものすごく違和感を感じています。

そうは言っても、私もそう簡単に日本的な付き合いに慣れていなかった。
社内の飲み会は時間の無駄じゃん?会社の運動会で参加がMUSTって、社員の権利を尊重しないじゃないか?創業者の執筆著書を買わせる会社ってホントに大丈夫なの?
しかし、とてもノーと言えるような立場ではなかったし、断れる雰囲気ではなかったので、不満を抱いてもいやいやなYESで行動を取ったら、意外と楽しかったのがよく記憶しています。社内飲み会で次第に同僚の絆が深まり、信頼しあえるようになる。運動会で一緒に汗を流して、結束力が高まる。創業者の著書でより会社を理解できて、ある意味で愛社精神が増して、よかったです。そのうちに、だんだんとYESとした方が得と学習して、自然とノー答える頻度が劇的に減りました。

はやり、若いうちには強制的にノーを言わせないのは必要だとつくづく思います。

しかし、このベトナムでは日本ほど、チームワークを意識するような教育をしていないので、どちらかというと自己を固定化する個人プレーになりがちです。社会風習を逆にするような日本的な強制行事はなかなか厳しく、不評を買ってしまうと今後の採用にも影響されてしまう。

そもそも、なぜイエスではなくノーの答えを選びがちかとその理由を探ると実に面白い。
人間は慣れていないことや知らないことがあると微妙な不安や心地よくない感覚を抱いてしまう。一方で新しいことや未知な世界があるとわくわくと楽しみにしている感情もある。前者は頭で考えている場合、後者は感情で感じる場合の違いである。そういう意味で、ベトナム人がノーを言いたがるのは頭で考えて、心で感じ取れていないことも言えるかもしれません。強制行事で殻を破り、同時に感情豊かな社員になるように支援すれば、そのうちにバランス感覚の良い社員が増えるのではないかと考えています。

強制行事で、知らないことを知ってもらう

  • 飲み会
  • BBQ会
  • Family会
  • 読書会などなど

感情豊かになってもらう

  • 幹部だけの食事会で幹部間の絆を築く
  • 部署内の食事会で部署内の絆を築く
  • 文化、芸術、スピリチュアル感覚を磨く支援

さすがにここまでやると利益追求を目的とする企業がやるべきことではないかもしれません(笑)。強いベトナム企業を作るためにはここまでやる必要がある気がします。賛同して頂く現法日系企業が多くあることを願っています。

→ 人材から人財への道のり::VOL 8::責任を取るのは仕事を辞めるの?

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プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 0901 809 991

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

輝く日本人
VOL 9::輝く日本人 in Vietnam 「TNKトラベルジャパン 藤原さん」
2018年3月14日

氏名:藤原 駿汰さん
会社名:TNKトラベルジャパン
役職:アシスタントマネージャー

落合:本日はお忙しい中取材を受けていただきありがとうございます。まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

藤原さん:藤原 駿汰です。現在はTNKトラベルジャパンで働いています。

仕事の内容はオペレーティングに始まり、ハノイ支店の人事やマーケティングの仕事など多岐に渡っています。また、ハノイに来て来月で2年になります。

落合:ありがとうございます。まず、最初にお伺いしたいのが、ベトナムに来た理由やきっかけはありますか?

藤原さん:これはすごく単純で、ベトナムで働きたいというよりも、今働いている会社に惚れたからです。

私は元々大学生の時に起業をしましたが、とある理由でそれを辞め、大学を卒業してすぐここハノイに来ました。元々バックパッカー等はしており、ベトナムにも来たことがありましたし、初めてベトナムに来た際もそれほどカルチャーショックもなく過ごすことが出来ました。

落合:なるほど。その中でなぜ御社に就職を決められたんですか?

藤原さん:まず、前提として誰しも何かをやりとげたいと思うんです。私にとってそれは50代で有名になりたいということなんです。でもそれは、起業してとかではなく、プロのサポーターになりたいんです。今まで、数々の有名な方の自伝など読んできましたが、みなさん人生の中で必ずどこかで寝る間も惜しんで何かをやっていた時期があるんです。そして、私は今の20代がその勝負の歳だと思っていて、今は死ぬほど働いて30代で何かしら芽を出したいと思っています。そのため、今の会社のように量と質をこなせる会社で働きたいと思い、面談等でしっかり確認し、私はここなら自分が成長できると思い入社しました。

落合:プロのサポーターになりたいとお話の中でありましたが、なぜ経営者とかではないんでしょうか?それも何か理由があるんでしょうか。

藤原さん:先ほど私の紹介のでも述べましたが、大学生の時に起業をし、会社経営を2年していたんです。その際に社員同士がとあることでぎくしゃくすることがあってそれがすごく嫌でした。なので、起業はもうしないというのもありますし、そういう社員間のケア含めて全てサポートを出来たらいいなと思っています。

落合:確かに人間関係は働く上ですごく大切ですよね。御社ではベトナム人スタッフの方の方が多いと思うのですが、コミュニケーションを上手く取るためにされていることはありますか?

藤原さん:特別なことはなにもないです。私は日本人やベトナム人という人種は関係ないと思うんです。というのも結局ビジネスでもプライベートでも人と人との付き合いなので、その人に合った付き合い方をするのが大事だと思っていて、ベトナム人でも日本人でもこの人にはこういう対応の仕方をすれば喜んでもらえるといのがあるので、その人たちの個性を見極めてそれに合う対応をしていくことが大事であると思っています。また、同僚や部下に何か仕事をお願いする時がありますが、私はメールだけでなく、必ずその人のデスクまで行ってからお願いするように必ずしています。理由としては、メールではニュアンスも伝わりにくいですし、言葉一つとってみても伝わり方は様々あります。些細なことかもしれませんがそういうコミュニケーションを大事にしています。また、スタッフの誕生日や女性の日などのプレゼントは欠かしません。それ以外にも弊社では仕事中にケータイを触ったり、家族と電話で話すのは問題ありません。私が仕事をしていてカルチャーショックやギャップのようなものを感じるとすればむしろ仕事中に2、3分家族との電話すら出来ない日本で働いている日本人の仕事の仕方に違和感を覚えます。

落合:確かに日本人はいつも時間に追われているという印象がありますし、私も日本にいるときはそうでした。では、最後になりますが一言お願いします。

藤原さん:私の仕事にも関わってくる話なんですが、日本人のパスポートの所持率は人口の25%と言われていて、近年では日本人の性格も内向的であると言われています。しかしながら、もっと海外に出て違う文化や環境を体験して欲しいと私は思っています。そこで私は日本人の方にベトナムをぜひおすすめしたいです。 ベトナムはすごい心にゆとりが多い人が多く、豊かな土地だとも思っており、朝からビールを飲んでいる人たちもいますし、その風景を見てなんだかいいなーと思うこともあります。日本では朝から通勤電車に揺られ、同じ服装で同じように列をなして機械工場のように人が流れていく光景を見ることが出来ますが、正反対ですよね。また、お客様の中でベトナムに来たことによってマインドが変わったという人もよく聞きます。なので、まだベトナムや他の海外諸国にまだ行ったことがない人はまずベトナムに来てください。また、ハノイは特に心の豊かさを感じれるところで、いつも忙しい日本人にとってこういう環境に身を置けるというのはいいことなんじゃないかなと個人的に思っていて、今の仕事を通して日本人観光客も増やしていきたいと思います。

落合:私もハノイにきて、約2か月ですが、確かに日本にいた時よりも心の豊かさがある人が多いなと感じることが多いです。本日は貴重な時間どうもありがとうございました。

あーちゃんのベトナムワーク&ライフ
Vol. 9::最終回ベトナムでよかったこと総まとめ

Xin chao!みなさんこんにちは。
いつもあーちゃんのベトナムワーク&ライフを読んでいただきありがとうございます。
私、今月末で退社することになりましたので、今回が最後の回になります。

ベトナムには2013年10月に来て、約4年半になりました。その内、半年くらいはホーチミン、4年くらいハノイを担当しました。両方で働くことができとても良い経験になりました。折角なのでこの4年半ベトナムに来てよかったことを振り返ってみたいと思います。

①お節介なベトナム人に恵まれたこと

ハノイに来て2週目くらいに体調を崩し、家で寝込んでいました。するとベトナム人社員から電話があり、あーちゃん大丈夫ですか?ととても心配してくれました。とりあえず大丈夫ですと答えると、私たちはあーちゃんの家に行きます!!とのこと。え、寝かせてほしいな・・・と思ったのですが、あちらは全然譲りません。とりあえず渋々OKしたところ、夕方みんなでクッキーとフルーツを持ってきてくれました。え、クッキー?!と思いましたが本当に嬉しかったです。笑
他にも、ある日また私が体調を崩して家で寝込んでいると、ハウスキーパーのおばちゃんが気にかけてくれました。当時は全然ベトナム語もしゃべれず(今もですが)、心配したハウスキーパーは不動産屋に連絡し、不動産屋が私の体調を気にかけてくれたこともあります。なんてお節介な人なんだと思いましたが、やっぱり嬉しいです。笑

②ベトナムならではのコミュニティーがある

私は石川県出身で、よくハノイの石川県人会に参加させてもらいました。当然、石川に住んでいたら敢えて石川の人と意識することはないですが、外国に来た途端、一気に親近感が沸きます。同郷というだけで、世代や職業を超えて一緒に飲んだり話したりすることができ、また仕事のことを応援してくれたりと、とっても良い環境に恵まれました。

③会いたい人に会える

2013年のハノイは20代の女性で営業している人は数えるほどしかおらず、お客さんにも大変可愛がってもらいました。しっかりと対応すれば、お客さんがお客さんを紹介してくれました。誰か1人仲介すると必ず会いたい人に会える環境で、大変恵まれていると思います。

④全てが揃ってない分、色々とやらせてもらる

私が入社したときは、社内に日本人はいなく、周りのスタッフに聞いたり、お客さんに教えてもらったり、とにかく試行錯誤で何でも自分でやりました。入社した時期がよく、社内の仕組みもまだしっかりできていない分、自由にやらせてもらえました。ずっと大手企業で働いていたので、何でもやらせてもらえる環境が楽しくて楽しくてしょうがなかったです。

⑤ベトナムで人材の仕事ができたこと

ベトナムで人材の仕事を選んだ理由は、当時、社会貢献ができたり、人の役に立つ仕事がしたいと思っていたからです。また、東南アジアにいる自分が一番自分らしくいられると思いましたし、アジア人として社会に役立ちたいと思ったので海外に出ました。実際、人材の仕事をやってみると、企業側、候補者側、日本人、ベトナム人、時にはその他の国籍の方にも会うことができ、本当に勉強になり、新卒で人材の仕事をしておけばよかったと思いました。この仕事を通して、ベトナム人と日本人の親友にも巡り合うことができました。
日本で社会人生活をしていても、新しくできる友達はほとんどおらず、家と会社の往復で、学生時代からの友達と会うだけでした。まさか大人になってこんなに気の合う人と会えるとは思いもしませんでした。

周りからは私はずっとベトナムにいると思われていたようで、またすぐに戻ってくるんじゃないの?と言われます。私もなんか来年の今頃またベトナムにいるのではないか?と思ったりもします。笑 その時は温かい目で見守って頂ければと思います^^
ありがとうございました。Cam on nhieu Viet Nam!

→ あーちゃんのベトナムワーク&ライフ::VOL 8::働き方改革から見る女性の活用

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プロフィール
吉田綾華(よしだ あやか)
E-mail: ayaka.yoshida@hrnavi.com
Tel: 0968 096 784

1987年生まれ、石川県出身。
人の役に立ちたい!という想いから、東南アジアと人材の軸で仕事を探し、2013年からアイグローカル・リソースに入社。自らの海外就職の経験とホーチミン、ハノイの両拠点での勤務経験を生かし、お客様と登録者の懸け橋となりアドバイスを行っている。

人材リスト

【日本人紹介】
日本人求職者リストは下記のリンクでご覧ください。
http://bit.ly/2pfTg4L

【管理職ベトナム人紹介】
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詳しい内容は下記のリンクからご覧ください。
http://x.huraffi.com