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2019年3月6日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON
Vol 5:: AIC VIETNAM CO., LTD. / 斉藤 雄久さん

氏名:斉藤 雄久さん
会社名:AIC VIETNAM CO,. LTD.
役職:President

「嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第5回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それでは斉藤さん自己紹介をどうぞ!

斉藤さん:斉藤雄久と申します。1962年東京都葛飾区出身、1985年早稲田大学社会科学部卒です。
ベトナムには1994年12月より滞在しており、妻はベトナム人です。趣味は映画(主に邦画)・音楽(クラシック、ジャズ)鑑賞です。

いつも笑顔な印象の斉藤さん。お人柄がでています。ベトナム歴25年の大先輩です!

Q.なぜベトナムに来られたのか?当初のきっかけは何でしたか?

斉藤さん:私が小学生、中学生の当時、ベトナムは激しい内戦のさなかにあり、その様子が連日ニュースで報じられていました。ところが、内戦の終結後ベトナムの名はニュースから徐々に消えてしまい、1980年代になると、ボートピープルの問題を除き、まったくその名を聞かなくなりました。自分としてはその消えた事が非常に不思議で、かえってベトナムという国に興味を持つようになりました。そして、関連する書籍を読み、訪れてみたいと思うようになりました。

そのチャンスはそう遠くなくやって来ました。社会人になっておよそ10年ほど、当時の勤務先の希望退職募集がありました。まだ30代前半で無鉄砲だった私は、将来の事などあまり考えず退職してすぐの1994年12月にベトナムのハノイにやって来ました。当初は、ベトナム語を勉強するハノイ外国語大学(現在のハノイ大学)の私費留学生という立場で来越しており、1~2年だけ滞在するつもりでした。こんなに長く居る事になるとは、自分でもまったく想像がつきませんでした。

Q.当初ベトナムに来られた感想、また、斉藤さんのお仕事において過去から現在までどのような変化があったんでしょうか

斉藤さん:当時は本当に飲食店など、日本と比較すると何もなかったです。ハノイ市内で、エレベーターのある建物や、生ビールの飲める店などは、指で数えられるほどでした。まだ車もまったくと言っていいほど普及しておらず、あちこちバイク天国で、まさに皆さんがイメージする「ベトナム」でしいた。最近ベトナムにお越しなられた日本人の方には、とても信じれないくらい、経済自体もまだ発展していませんでした。

さて、昔話はこれくらいにして、ビジネスに関係するベトナムの今昔に触れたいと思います。ベトナム政府は、ここ最近になってようやく法制度の整備を重視して来たと考えます。もちろん、いまだ不十分な面がある事は承知していますが、この20数年で見れば大きな進歩を遂げたといえます。私たちの仕事に関連づけて言いますと、特に法人企業や駐在員事務所の設立手続きの円滑さは、非常にやりやすくなってきています。過去と比較すれば雲泥の差です。一般的な企業(製造業、ソフトウエア開発、流通など)の設立において、投資家が政府の要人などと、特別な関係を築く事は不要になりました。法規を満たす申請書類を準備する事がまずは重要で、いくら人脈があったところで、不十分な書類を提出したら、窓口では当然受理されません。ところが、このような状況の変化を認めずに、「ベトナムは法治国家ではない!人脈がすべてだ!」と言うような周りからの意見がいまだに強い事(特に日本側で)は、大変残念です。このような批判は、法制度の整備に注力するベトナム政府、外国(日本も含まれます)の継続的な協力を蔑ろにするものです。ただし、その他の手続きにおいては、これからさらなる改善が必要と思われますね。

Q.ベトナムで働かれてからの現地スタッフの印象など、ご経験から踏まえてのベトナム人雇用、教育指導に関するアドバイスなどございますか

斉藤さん:当社で採用する人材は、外国語、会計などを学んだ者ですが、その学習者も女性の方が圧倒的に多いことから、採用を行っても残るのは、ほとんど女性となってしまいます。業務の関係で出張もあるので、できれば男性を増やしたいのですが、この国ではなかなか難しいですね。

数年前に日本政府は「女性が輝く社会」を目指すとしていましたが、逆に当社はベトナム国ならでは「男性が輝く社会(会社)」とできるよう、いくら困難でも取り組まないといけません。

日本における職場は、社会共同体的な面が強く、いまでも企業への忠誠心、義理人情がからみ、日本人では仕事=生活もしくは人生そのものといった感じがあります。ところがベトナムの人々にとって、仕事はあくまでも生活や人生の一部であり、職場とは「働くための場所」です。つまり、社会共同体ではないので、教育してもすぐに転職する者も少なくないと思います。これをドライと思うのは、日本人がただウェット過ぎるのかもしれませんね。

日本においては、まだ終身雇用的な人事政策がとられていますが、これはベトナムでは馴染まぬ面が多いと考えます。人の評価を長い目で見る事も、場合によっては必要ですが、基本的には成果のあった場合、すぐに評価に反映する事がベトナムでは望ましいと思います。

まさに「女性が活躍する現場」ですね。アオザイ姿が美しいです。

Q.AIC社様の会社概要、また、どのようなお仕事をされていますか。

斉藤さん:当社は日越の合弁企業で、2008年に設立されました。本社はハノイで、ダナン、ホーチミン、横浜に拠点があります。業務内容は、各種コンサルティング業務で主に企業のライセンス関係、人事労務と会計税務の三つに大きく分かれます。当社では、投資法・企業法・労働法・会計法・税法などの多様な観点から、一つの課題に取り組むことを特長としています。それは法規が実務において相互に関連し、一つの法令のみから解決を図る事はリスクがあるからです。例えば、法人設立の申請書の書き方によって、操業後の会計税務に大きな問題が生じるような事もあるからです。

会計税務では、財政省に登録し正式な許可書を取得して活動する、数少ない外資企業の一つです。人事労務では、セミナーの開催や執筆活発なども含め、この分野へ専門的に取り組む企業として、ご評価をいただいています。

Q.業界の最新トピックを一つご紹介してください。

斉藤さん:昨年後半より10以上の労務に関する法令が公布されており、今後の実務に大きな影響が生じそうです。外国人に対する社会保険加入もその一つですが、これについては、まだ実務上で曖昧な点が多いようです。また、今年は労働法の改正が国会で審議され、10月に可決、来年1月より施行となる見通しです。労働法の草案については、2年前に公表されたものがありますが、国会での審議に向けてあらたな案も明らかになると思います。当社では、この労働法改正の動きについて、適宜情報を発信する考えです。

某ホテルでのセミナーに登壇されたときの写真。いつも勉強させていただき感謝しております。

Q.斉藤さんが目指す、これからの仕事における目標(夢)とは何ですか?

斉藤さん:私もそれほど若くなく、日本であれば定年も近い年齢です。もう夢を見るには、歳をとり過ぎたかもしれません(笑)

直近の課題として、若い世代に将来の経営を託せるように、取り組まないとなりません。また、当社はベトナムで活動する企業なので、いつまでも日本人がリードするような事は望ましくないと考えます。実務においては、ベトナムの人々だけで、もうほとんど出来るようになっています。もう少し頑張って、ベトナムの人々によって運営され、ベトナムの企業として永続することを、創業者として望んでいます。

Q.これからベトナムに来る日本人の方へのメッセージ

斉藤さん:日系企業の進出が始まった20数年前から、10年ほど前までであれば、職場において日本人はベトナムの人々の「先生」として、容易に敬意を集める事ができました。それが今では彼らも知識や経験を積み重ねており、もはや日本人というだけで敬われる事はなくなっているかと思います。

当地での生活も便利になり、娯楽も増えていますが、その一方でベトナムの社会や人々と深く接する機会が、以前よりも失われている気がします。個人レベルでも、当地との触れ合いを増やし、関係を強化する事が、個々人のみならず企業にとっても両国の関係にとっても、よりよい事につながると考えます。

ぜひこれからの将来のベトナムを盛り上げていってください!

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インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

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