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2020年9月9日

人材から人財への道のり::VOL 35::企業の行動規範

新入社員が入ったら、最初にどんなことを行いますか。

  • 企業紹介:会社の歴史、組織図、会社のミッション、ビジョンなど
  • 労働規則の説明:有給取得方法、各種福利厚生の説明
  • PCや備品の引き渡し

最後に、あとは他の社員に聞きながら、うまく仕事しましょうと締めくくります。
一般的にはこんな感じではないでしょうか?

確かに、社員の行動に一番影響するのは全社員の行動パターンの総和である企業文化というものなので、まわりに聞きながら仕事するのは自然なことです。しかしながら、企業文化はどのように形成されますか?よくあるのは長期に渡って、トップの考え方、行動パターン、意思決定方法などが中間管理職に伝わり、今度、中間管理職から末端の一般社員へ伝わっていきます。そうやって、トップの意思が企業の隅々まで浸透していき、ハイパフォーマンスの組織を実現するわけです。

さて、海外現法では上記の文化形成はうまく行っているでしょうか?
組織が大きくない間、つまりトップ一人が全社員を見れるレベルでは問題なさそうに見えるが、それでも社員の中で、隠れている派閥が存在したりします。とくに、ZALOのようなグループチャットを使って、簡単に社員同士の個別会話ができる時代なので、企業あるいはトップのネガキャンはすぐ広がります。日本人責任者も任期制なので、数年で変わったり、中間管理職が定着していなかったり、よい企業文化形成を阻害する要因はいくらでもあります。

そこで、時間をかけないで、すぐトップの意思を伝えていくことをお勧めします。トップが大事だと思っていることを列挙して伝えるだけで、とても簡単なことです。ここで、私の経験上、ベトナム人スタッフに対して、とくに強く伝えるべきポイントをいくつか紹介したいと思います。

  • 職場の人間関係:とても大事であることは間違いない。お互いを大事にし、よい職場環境を作ってほしい。しかしながら、仲良しは企業の目的ではないうえ、各位のキャリア形成に直接貢献しない。目指すべきなのは仕事の成果です。仲の良い社員と仕事をしたいからこそ、成果を出し続ける必要があります。
  • チームワーク:うちの会社ではチームワークを重んじます。みんなが一丸となって一つの商品を仕上げる感覚ですので、仕事はオープンで、みんなの力を借りましょう。任せられたからと言って、囲い込むのはやめましょう。
  • 否決権:会社という組織では日々意思決定して進めるものです。誰も決められず、最後に責任を負って、決めるのは社長の役割です。仮にその決定が自分の意志と違うとしても、納得し、従ってほしい。
  • 他に、信頼関係、信用、仕事のやめ方、タスクの受け方などなどいろいろと伝えないといけないポイントがありますが、紙面関係上割愛します。

    皆さんの方でも上記のように、社員に向かって伝えることをお勧めします。

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    プロフィール
    Nguyen Dinh Phuc
    E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
    Tel: 097 869 8181

    国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

    人材から人財への道のり