2020年1月8日
先日、業務関係上1名ないし2名のバイトを入れることになり、部下に指示したところ、なんだかさわさわして、たくさん候補者を面接していたようです。しばらくして、数日後にスタッフがうれしそうに、みんな、能力高いですよと言い、最終面接候補生3名を提案してもらいました。簡単な仕事をこなしてもらうバイトなので、社長面接不要と思って、面接をなくして、さっそくバイトを始めてもらいました。
しばらくしたら、ある場面で、このバイトたちは妙に日本語できているなと、場合によっては正社員よりもできているかもしれないと気づきました。彼らに聞いてみました。
私:おい、君!ちょっと
バイトの子:はい
私:日本語、上手そうだけど、どこで習ったの?
バイトの子:日本で修士課程をとりました(もう一人は日本で日本語学校に通ったそうです)
私:ええ!本当に?!そのバックグラウンドでなんでうちでバイトするの???
その場でははっきりした理由は聞けなかったが、採用担当スタッフを呼んで、詳しく事情を聞いてみました。工科大学を出て、日本で修士課程を取得した男性はお婆さんが元気ない(おそらく、認知症)ので、家族で手分けして、面倒を見てあげているそうです。彼は週1日担当しないといけないので、フルタイムの仕事には就けれないという。もう一人は、貿易大学卒、日本で日本語を1年間ぐらい学んでいた女性です。彼女のお婆さんも体が悪いので、通院に付き添うために、フルタイムの仕事は難しい。そして、もう少し日本語および英語も極めたいので、パートタイムの仕事と勉強を両立したいそうです。
自分たちが知らないだけで、上記のように脆弱な社会保障がために、能力を十分に活かせないヒューマンリソースは少なくありません。ベトナムの人口はそれなりにあるので、問題視されませんが、埋もれるダイアモンドはきっと多いはずです。働き改革ではないが、8時~5時、月~金という働き方に拘らない、柔軟な勤務体系でしてあげれば、こういうようなリソースを活かせ、企業、働き手、社会ともよいではないかと考えました。
※ちなみに、ベトナムでは老人向けサービスはほとんどないと言っていいぐらい、とても遅れている。
一方で、今までは人件費が安かったベトナムだけに、余分に人を雇っても大きなインパクトではなかった。しかし、これからは徐々ではあるものの確実に人件費が上がっていくので、そうはいかない。よって、企業サイドで、業務を標準化して、シンプルに区切り、仕事の一部を容易にバイトに手伝ってもらえるように丸める必要があります。そうやって、生産性の高くないタスクをバイトスタッフにやってもらうことで、正社員の一人一人の生産性向上につながるので、立派なリソース活用です。最初は手間もかかりますが、成果は実感しやすいので、取り組んで頂きたいと思います。
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国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。
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