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2020年12月9日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON

氏名:NGUYEN VAN CUONGさん
会社名:Vietnam Rare Elements Chemical Joint Stock Company
役職:HR-Admin Dept Senior Manager

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第17回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それではCuongさん自己紹介をどうぞ!

Cuongさん:Cuong(クオン)と申します。
出身はベトナム中北部のタインホア省です。2002年からホーチミンへ来て約20年程になります。
今は結婚して、子供が二人、女の子と男の子がいます。日本では一姫二太郎と言いますね。
好きなスポーツは昔やっていたバトミントン、フットサル、最近はゴルフです。ゴルフはやればやるほど楽しくなってきます。
現在は、VIETNAM RARE ELEMENTS CHEMICAL JSC(以下VRECと省略)に入って9年目、人事総務と財務アシスタントを担当しています。

(Cuongさん VREC社オフィス前での撮影)

Q.学歴と、そこから御社との出会いまでを教えてください。
Cuongさん:大学はホーチミン市経済大学で専門はビジネスマネジメントでした。大学生の時、兄の友人のアドバイスで外国語は日本語を専攻しました。ところが初めの1カ月は興味が持てず、勉強を続けるのは難しいと半ば諦めてしまいました。教授に相談したところ、1番後ろの席から1番前の席に移動させてもらい、授業に集中するようになりました。そうすると1週間でそれ以前とは意識が全く変わり、日本語の勉強が楽しく感じられるようになりました。そこから日本のドラマを見たりして日本の文化も大好きになりました。日本語をもっと学ぶため、大学生の間に日本語専門学校に1年半程通いました。
大学卒業後、通っていた専門学校から日本語教師のお誘いを受け、1年程日本語を教えていました。学生から「先生」と呼ばれたときに“カッコイイ”と思いましたが、将来は日本で働きたいと思っていたので、その夢を叶えるため、日系の製造メーカーに入社し、その後実際に技能実習生の管理のため半年間日本で働く経験もできました。5年間勤めた後、人材紹介会社からVRECを紹介され、転職する気はなかったもののどんな会社か知るため面接に行くと、鉱物を加工して世界へ販売する事業や、ジルコニウムという名前もベトナムで初めて耳にし、レアメタルという未知の分野に大変興味を持ちました。そして面接の結果、無事採用されることになり、新しい分野でチャレンジしてみようと2012年にVRECに入社を決めました。

Q.入社してから大変だったこと、成長のきっかけになった出来事は何ですか?
Cuongさん:VRECの事業内容はベトナムにあるジルコンサンドの原料を化学や物理の処理工程にて精製し、高純度のジルコニウム化合物の中間体を大阪にある日本本社へ提供することです。
入社して大変だったことは、当時まだ投資ライセンスがまだ取得できていなかったため、そのサポートをすることでした。日本人の出向者とほぼ2人で会社を立ち上げ、翌年の2013年から2015年にかけてエンジニアチームのサポートで工場の建設・設備の据え付けを行いました。そして、2016年10月から本格的に商業生産を開始し、会社は現在4年目を迎えています。
一番困ったことは日本人とベトナム人の考え方の違いです。同じ物事に対しての考え方、仕事の捉え方、仕事を遂行する際のあるべき姿のギャップが大きすぎて最初は仕事がうまくいかない時もありました。日本人がこういう場合にはこういう風にするという(考えの基礎)のは当然だと思っていても、実際にベトナム人の仕事習慣としては指示がないと動かない人が多いんですよ。言い換えれば受け身の姿勢でいる人が多い。また、問題解決にはどうすればよいかをまず自分で考えずに上司に聞くことが多い。わからないことは先輩や他人に聞くことは悪くはないですが、自分でまず考えもしないで聞くことは良くないことです。日常の業務をただルーチンで遂行するだけではなく、よく考えてどうやって早く、効率的にできるかを考えながらやって欲しいと思います。

Q.現在のお仕事内容についてついて教えてください。
Cuongさん:会社立ち上げ当初は、総務のアシスタントマネージャーでした。機械据え付け、生産開始するまでに製造課に所属し、その後人事・総務に異動し現在はシニアマネージャーに昇格しました。部下が8名いて、人事・総務・安全衛生をマネジメントしています。今年から財務経理部門の日本人部長のアシスタントを兼務しております。
また現在は、ルーチン業務のマネジメント以外にも会社の重要な実施項目を担当しています。例えば投資期間の付加価値税還付申請について税務局とのやり取りをして還付手続きが円滑になるように動いています。弊社は鉱物を使用するので使用量の許可の申請(マスタープランに鉱物使用量の増加申請)のため商工局、商工省とのやり取りをしています。会社全体のことにも常にアンテナを張っていて、気が付くところがあれば社長、部長に提案を行っています。
管理職にとって大切なことは、会社の方針に対する自分の部門の目標を設定し、部下にその目標を理解をしてもらう。そして、目標に向けたレベルアップとスキルアップをバックアップすることだと思っています。

(事務所にて間接スタッフへ本社の製品用途などレクチャーを行うCuongさん)

(会社のYear End Party【忘年会】にて 社員皆さんでの集合写真です☆)

Q.Cuongさんの今後の目標(夢)を教えてください。
Cuongさん:私はVRECの事業にゼロから立ち上げに参加したので、ベトナムの鉱物が高純度に加工され世界に流通するところを見たいです。今はその過程にありますので、近い将来その夢が実現されることが楽しみです。また、会社としての目標としてはVRECの管理者を現地化し、現地のベトナム人の力でVRECを運営できるようにすることなので、私もその中で今より高いポジションで運営に携われるようになることが近い将来の目標です。

Q.最近の御社業界での面白い話、業界最新トピックを教えてください。
Cuongさん:VRECでは無機化合物の生産の条件を満たすために色んなライセンスが必要です。環境ライセンス・廃棄物処理のライセンス・税務問題などについてすべて承認先はハノイの省政府となっています。バリアブンタウからハノイまで資料提出や関係官庁へ説明をしに行くことが大変というのはあるんですが、それ以上に法律が明確になっていない部分が多く、手続きやライセンスの取得するために各省政府とのやり取りする際、人脈を使わざるを得ないことが多くて苦労しています。日本人にとっては、当然これはストレスですし、大変だと思っていると思いますが、ベトナム人にとっても、日本人同士でそういった問題に対する会話を聞いていて、本当につらいのだろうなと感じます。しかし、ベトナムは発展中の国なのでもっと発展していくためにも、今後は国が率先して法律整備も行っていくべきだと思います。
政府への対応をきっかけに法律をたくさん勉強しましたが、業務を実施する際に法律を順守するのは当然ですが、その上で経験を積んで、よく考慮し、法律の曖昧な部分についてはリスクを避けるため、必要性が高い案件についてはきちんと専門家と相談した上で対応を行うことが大切だと考えています。

Q.ベトナム人から見た日本人の印象とはどんなものでしょう?
Cuongさん:まず信頼性の求めるレベルが高い。物事の考える時にロジカルに考える人が多いと感じます。やりだすと、途中で諦めずに最後までやり切れる粘り強さもあります。そういう傾向が仕事上では納期と約束をしっかり守る、ということに繋がっているのではと思います。

Q.ベトナム/ベトナム人をもっと知るため、日本人へのアドバイスをいただけますか?
Cuongさん:ベトナムと日本の文化の違いがありますが、日本が好きなベトナム人は多いと思います。ですから日本人の考え方にも理解を得やすいのではないかと思います。日本はベトナムより30年~40年ぐらい進んでいるので、発展が遅れている国のベトナム人の考え方を理解したうえで、日本人の一般社会人の考え方をレクチャーしていただければベトナム人もそれを上手く受け入れることができて、もっとお互いに仕事しやすくなるのではないかと思います。

(2017年の社員旅行では皆さんでニャチャンに行きました。思い出に残る集合写真です。)

Cuongさん取材ご協力いただき、ありがとうございました!

ありがとうございました。

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インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

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