Blog

2021年1月6日

嶋村チョイス!今月のKEY PERSON

氏名:DANG HOANG DUNGさん
会社名:TAKENAKA VIETNAM CO., LTD.
役職:Manager, Construction Dept.(QS/Procurement/QA)

「嶋村チョイス!今月のKEY PERSON」第18回を始めます!
どうぞよろしくお願いします。それではDungさん自己紹介をどうぞ!

Dungさん:私はDang Hoang Dungと申します。1983年生まれ、ハノイ出身です。
2003年から日本へ留学しました。最初は仙台の専門学校で日本語を勉強し、その後愛知県にある人間環境大学建築学科へ進学しました。合計8年間日本で留学期間を過ごしました。
現在は9歳、1歳、5カ月の3児の父です。

(Dungさんの入社当時の写真)

Q.竹中工務店ベトナム社との出会いはどのようなものでしたか?
Dungさん:大学を卒業した後、2011年より日本で大学院へ進学予定でしたが、その年の3月に東日本大震災が起きました。私はちょうど3月に結婚式を挙げるためベトナムに帰国していました。本当は大学院へ進学したいと思っていましたが、家族の心配もあり熟考した結果、そのままベトナムで就職することに決めました。
日系の建設会社への就職を希望していましたが大変難しく、父からはローカルの建設会社への就職を薦められました。しかし、日本で学んだことを活かしたいという思いがあったので、ベトナム国内を北から南まで対象にして、諦めずに探しました。
当時ハノイに住んでいましたが、2011年のクリスマスにホーチミンまで面接に行き、日系住宅総合メーカーに無事就職が決まりました。

大学を出たばかりで、わからないことばかりでしたが、最初の1年間は大学での建築学科の知識を活かして設計部に配属されました。その後、現場で日本人プロジェクトマネージャーのサポートを担当しました。最初6カ月の予定でしたが、サポート業務から始まり、その後はサイトマネージャーへ指示を行う立場となり、3~4年は現場監理を一人で担当しました。その後はプロジェクト管理を任せられるようになり、その中でもコスト管理は一番重要な仕事でした。

前の会社で7年勤めた頃、仲の良い人材会社の友人との会話の中で、竹中工務店ベトナム社が人材を欲しがってると聞きました。当時は転職する気はまったくなかったのですが、仕事内容がとても魅力的に映ったのが印象的でした。そこから3ヶ月後また確認したところ、他の人を探したけど全然見つからないとのことで、新しいフィールドに挑戦するつもりで面接を受けることに決めました。面接では仕事内容をいろいろ説明していただき、今まで経験したことのない話を聞け、高い技術力を感じました。そのため竹中工務店ベトナム社で建設についてもっと勉強したい!と思うようになりました。
そして見事入社することができました。入社して初めの3ヶ月はショックの連続でした。それまで経験してきたこととあまりに違いがあり、品質管理、安全管理や工程管理のシステムも全く違っていました。こういうシステムがあるんだということを知り、驚きよりもショックを覚えました。

嶋村:そうですか。それだけ大変だったなら、勤務する過程で正直仕事を辞めたいと思ったことはありましたか?

Dungさん:いいえ、それはなかったですね。自分は逆境に強い性格なのか、難しいことがあると余計に頑張ろう!という気持ちになりました。毎日夜1時まで、会社に残って自分で勉強しました。

嶋村:その働き方は昔の日本人みたいですね(笑)他の人が帰宅したり、お酒を飲んだりしている間、会社に一人残っているのはストレスではありませんでしたか?

Dungさん:いいえ、ストレスではありませんでした。自分に知識が足りないことがわかっていましたので、早く仕事を覚えたくて頑張りました。全然苦ではありませんでした。

(日本留学時代、アルバイト先のオーナーと撮った思い出ある写真)

Q.入社してから大変だったこと、成長のきっかけになった出来事は何ですか?
Dungさん:一番大変だったのはサブコン会社の管理です。1つのプロジェクトで2,3社のサブコンさんを管理しましたが、プロジェクト完成に向けて安全管理、工程管理に十分気を配りながら協力し合い進めていきます。サブコンさんと一緒にコンクリートを打つため、朝の5時とか6時まで一緒に立ち会ったこともありました。それは大変ですけど、楽しい経験でしたね。現場では学ぶことが多くいろいろ教えていただき、7年間で成長できたと思います。

竹中工務店ベトナム社に入社してからは前職での経験はありましたが、品質管理等のシステム的なレベルなど、全然違っていて、自分の経験が足りないと感じました。それでも入札してからプロジェクトを始めから最後まで任せてもらえて、それを完成させることができた時は成長するきっかけになったと思います。品質管理、安全管理、コスト管理を計画どおり、きっちり行うことの難しさがありました。

Q.現在のお仕事内容についてついて教えてください。
Dungさん:ベトナム南部で日系工場の建設を担当しています。
メインは新しいプロジェクトの入札、今進んでるプロジェクトの現場管理、半々です。
入札では積算、材料調達、計画表作成、マスタースケジュール作成、組織表作成などがありますが、設計に3週間、積算に1週間、全部でおおよそ1カ月の間に書類を作成します。そのすべてを管理するのが私の仕事です。
入札も大変ですが、仕事をもらってからの現場管理の方が大変で、品質管理、安全管理、コスト管理、工程管理と全体を管理します。天気により工程の遅れが出ることもあるので、状況に応じて施工方法の改善やスケジュールの調整を行ったりもしています。難しいですがとてもやりがいのある仕事です。

Q.Dungさんの今後の目標(夢)を教えてください。
Dungさん:今は南部ホーチミンを拠点として活動していますが、北部、中部でも日系企業だけでなくローカルのお客さんも含めてもっとプロジェクトを広げたいと思っています。今は会社の方針で製造企業の工場建設をメインで行っていますが、将来的には建物ビル建設やODA案件など大きいプロジェクトにも携わりたいです。

(会社の忘年会で社員の皆さんと撮った記念写真)

Q.今年(2020年)はコロナで大変だったと思いますが、その中でも建設業界で明るいニュースはありますか?
Dungさん:中国から日系企業が移ってきたりということがあるので、その流れは良いニュースかなと思います。今の状況ですとホーチミンに比べてハノイのほうが若干ですが建設需要が堅調だと感じています。ホーチミンは今年厳しいですが、来年はきっと良くなると信じてます。

Q.ベトナム人から見た日本人の印象とはどんなものでしょう?
Dungさん:私が持っている日本人の印象は、真面目でいつも一生懸命というので、それは留学前も今も変わらないです。不満があっても我慢して頑張る、失敗があっても絶対負けないという気持ちは尊敬しています。

Q.ベトナム/ベトナム人をもっと知るため、日本人へのアドバイスをいただけますか?
Dungさん:ベトナム人は相手から信頼される事を大事にしています。自分のことを信頼してくれたら一生懸命何でもやってあげたいと思います。私が初めてサイトマネージャーを担当した時、上司から信頼してもらって任せてもらえたので、とても緊張しましたが絶対このプロジェクトは失敗しないようにと思って一生懸命やりました。
逆に全然信頼してもらえなかったり、失敗があった時、怒るばかりで間違えを教えてくれないのではやる気がなくなってしまいます。自分が上に立つ立場になっても、やはりチームメイトを信頼してあげないと相手もやる気を失くしてしまうと感じています。信頼できないなら使わない方がいいと思うんです。会社は一人ではできません。みんなの力がなければ会社は大きくなりません。だから日本人、ベトナム人関係なく、一緒に仕事をする上で一番大切なことは「信頼」だと思ってます。

Dungさん取材ご協力いただき、ありがとうございました!

ありがとうございました。

―――――
インタビュアー
ハノイ支店マネジャー 嶋村 拓史(しまむら・たくじ)
E-mail: takuji.shimamura@hrnavi.com
Tel: 090 1828 660

コメント:ベトナムで人材採用のお手伝いをしております!人材の件でご相談ございましたらいつでもお問い合わせください。