Blog

2022年10月5日

人材から人財への道のり::VOL 59::宴会部長(その2)

宴会部長に関して、第56話で考察しました。HRnavi Blogs - 人材から人財への道のり::VOL 56::宴会部長日本の教育システムでは部活動を通じて、学生の時から組織運営を学んで、人を喜ばせることを肌で感じ、スキルとしても取得しています。一方で、ベトナムでは共産党によって統一されてから、部活動はほぼなくなり、人材育成に関して大きく後退しているように感じています。会社生活を楽しく有意義なものにするために不可欠な社内イベントをどうにか実施したく、考える日々が続きました。

実は弊社では、過去にはいろいろな会社イベントを行いました。
まず、記憶に強く残っているのは、月一回のランチパーティーで和食レストランを回るイベントでした。それなりに続けたので、かなりの数の和食レストランを制覇しました。普段はレストランに行かない社員も、この企画のお蔭で数々の和食レストランを体験できて、とても好評でした。しかし、そのうちに、社員は自分たちの仲の良いグループで固まっており、他部署とあまり交流しないことに気づきました。イベントそのものもマンネリ化し、ただ食べて終わるイベントになってしまったため、打ち切りました。

次にどこの会社もやっている誕生日会です。バースデーケーキを買って、仕事が終わったらみんなでハッピーバースデーを歌って、ケーキを食べて、終わります。訴求ポイントがないので、かなりあっさりしていて、企画側も祝われる側も正直あまり記憶に残りません。

社員旅行は企画次第で、よいイベントにすることができます。旅行の中で、半日ぐらいゲーム性のある研修を受けます。そして、夕方には宴会を行います。社員によるダンスのグループ対決、カラオケ大会、ラッキードローなどで盛り上げます。旅行後には、旅行そのものではなく、ダンス大会のための練習や、カラオケ大会、そして、一緒にべろんべろんになるまでビールを飲んだことが、記憶に強く残ります。

どんなイベントもそうですが、結局、そのイベントの成否は企画運営する担当者次第だと思います。誕生日会をパターン通りに行うとマンネリ化され、やらないよりやった方がいいのですが、だんだんと楽しみが減ってしまいます。しかし、しっかり工夫すれば、お互いへの愛情表現ツールになり、もらった本人を喜ばせることができます。さらに誇りになり、SNSなどで拡散すると会社の知名度アップにつながり、会社と社員をお互いケアする好循環ができて、とてもよい職場環境になります。参考までに弊社では下の写真ようにメッセージが入ったパズルを社員にプレゼントしています。バラバラになっているパズルとフレームがセットになったものです。受け取った本人自身で、バラバラになったパズルをもとの形に組み立ててみんなのお祝いメッセージを読み、フレームに入れて机の上に飾ることができます。

さらに、会社イベントカレンダーは下の写真のように、お店のメニューのように、手書きで対応しようとしています。絵を描ける社員はいないので、最初はビジュアル的にあまり期待できないのですが、だからこそ、いろいろな社員の手で、子供の落書き気分で、自由に書き加えて、だんだんと楽しくよいものに仕上げていくのを狙っています。しかし、何か施策がなければ、他人事として見ているだけで、こういう活動に参加しようという意識が生まれないだろうと推測します。そのため、各部署から若い社員1名ずつを選出して、会社を盛り上げるアクションチームを創生しました。全社員に対して、会社イベントへの積極的な参加を促したり、アクションチームメンバーが企画運営へ積極的に加わることを期待しています。それに対して、中間管理職はアドバイザーになって、応援します。

ボトムアップ的な活動なので、浸透までかなり時間がかかると予想していますが、若い社員に期待したいと思っています。

―――――

プロフィール
Nguyen Dinh Phuc
E-mail: nguyen.dinh.phuc@hrnavi.com
Tel: 097 869 8181

国費留学生として、選ばれ、1996年~2006年まで日本で留学と仕事を経験したのち、ベトナムに戻り、日系企業に対して、経営助言のコンサルティングをしました。ベトナム人は比較的にレベルが高くないという実態をなんとかしたく、2010年からアイグローカルリソースを創設、ベトナムにある人材のレベルアップを会社のミッションに、日々、努力しています。

人材から人財への道のり